胡蝶蘭

日本一の胡蝶蘭の産地はどこ?都道府県別!胡蝶蘭生産量ランキング

ハーブさん
ハーブさん
こんにちは。もと花屋のハーブさんです。

胡蝶蘭は今やビジネスシーンのお祝いには欠かせないアイテムです。

流通量が多いのであちこちで見かけますが、

お客さん
お客さん
胡蝶蘭って日本のどこで生産されているのだろう・・・?

と疑問に思ったことはないでしょうか?

実は胡蝶蘭は日本全国で栽培されているものの、生産量は地域によってけっこうバラツキがあります(まあでも野菜などでもとくに生産量の多い県とかあるので、それと同じですね)。

そこで、都道府県別の胡蝶蘭の生産量をランキング形式で紹介するとともに、産地の特徴についてまとめてみました

目次

都道府県別!日本国内の胡蝶蘭生産量ランキング

生産量の調査にあたっては、農林水産省が平成31年2月に発表した「平成29年産花き生産出荷統計」を参考にしました。
都道府県別の胡蝶蘭の出荷量は以下の表になります。

平成29年産花き生産出荷統計より 都道府県別の洋ラン類の出荷量 

都道府県 出荷量(鉢) 出荷量全体に対する割合
1位 愛知 3,540,000 24.1%
2位 熊本 1,690,000 11.5%
3位 福岡 1,170,000 8.0%
4位 山梨 896,000 6.1%
5位 埼玉 817,000 5.6%
6位 静岡 717,000 4.9%
7位 栃木 486,000 3.3%
8位 徳島 412,000 2.8%
9位 岡山 303,000 2.1%
10位 長野 285,000 1.9%
11位 神奈川 267,000 1.8%
12位 宮崎 244,000 1.7%
13位 三重 212,000 1.4%
14位 高知 188,000 1.3%
その他地域 3,473,000 23.6%
全国合計 14700 100.0%

※注:データはe-Statから引用。胡蝶蘭にシンビジュームやデンドロビュームなどの、近しいラン科の植物がまとめられ「洋ラン類」という項目で集計されています。

この統計によると日本で一番胡蝶蘭を栽培している県は「愛知県」でした。

この354万鉢という数は全国の出荷量の約24.1%にあたり、日本の胡蝶蘭(ラン鉢)のおよそ4分の1は愛知で生産されている計算になります。

愛知県に次ぐ2位と3位には熊本、福岡と九州地方が続きます。
どちらの県も100万鉢以上出荷していますがそれでも愛知県の半分以下であり、愛知県の生産量の高さが伺えます。

4位と5位には山梨県と埼玉県がランクインしました。
関東近郊ということもあり、東京で法人ギフト用の胡蝶蘭を贈る際には山梨や埼玉が産地、ということも多いです。

ハーブさん
ハーブさん
<お花屋さんこぼれ話>
ランキングを見てもらえると、東北や北海道は上位にランクインしていないことに気づいてもらえると思います。

人口が多く需要の高い首都圏から離れている、ということもあるかもしれませんが、胡蝶蘭という花の特性も関係しています。

胡蝶蘭は東南アジアなど日本より温暖な地域が原産の花です。
とくに寒さはとても苦手・・・。

もちろんビニールハウスなどの施設で育てますが、そもそも温かい地域の方が栽培に向いてるんですね。
九州地方の熊本や福岡はもちろん、気候の温和な愛知は胡蝶蘭の栽培に適した地域と言えます。

胡蝶蘭の生産量日本一!ランキング1位「愛知県」の特徴

生産量 354万鉢

愛知県は花の栽培がとても盛んな地域で、洋ランに加えてバラや菊の生産量も日本一です。

またカーネションの生産量も長野に僅差の2位で、花のみでなく観葉植物も多数出荷している地域。花全体の生産額も長年1位を独走しています。

そのためか愛知県内には胡蝶蘭を専門に育てる農家さんも少なくありません。
通常の胡蝶蘭のみでなく特殊な胡蝶蘭を生産している農園もあり、染色技術により自然界には存在しない青などの胡蝶蘭を販売している「松浦園芸」などは花業界でも有名です。

「松浦園芸」のエレガンスシリーズ

愛知県の胡蝶蘭生産農家の一例

松浦園芸 愛知県豊橋市東七根町銭田263
LEAF 愛知県豊橋市細谷町字小袋松173
iファーマーらんぼ 愛知県西尾市鎌谷町大明神125

胡蝶蘭の生産量ランキング2位「熊本県」の特徴

生産量169万鉢

熊本県は愛知に続き、胡蝶蘭の出荷数が2番目に多い県です。
花束やアレンジメントにおける名脇役「カスミソウ」の生産量が日本一なことでも有名。

暖かく穏やかな環境を活かし、胡蝶蘭をはじめ様々な種類の洋ラン栽培が行われています。

熊本県の胡蝶蘭生産農家の一例

宮川洋蘭 熊本県宇城市三角町戸馳397
うき洋蘭園 熊本県宇城市松橋町南豊崎658-2

胡蝶蘭の生産量ランキング3位「福岡県」の特徴

生産量117万鉢

再開発が進みビジネス街としての発展が進む福岡も、洋ランが盛んに栽培されています。

関東圏のように生産からお届けまで一貫して手掛けている農家さんは少ないですが、生産者と直接つながり法人用ギフトとしての胡蝶蘭を全国に手配してくれる業者さんも。

九州近郊に胡蝶蘭をお届けする際はおすすめです。

福岡県の胡蝶蘭生産農家の一例

三島園芸 福岡県糸島市東1594
三苫洋蘭園 福岡県糸島市井原2067-1

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胡蝶蘭の生産量ランキング4位「山梨県」の特徴

生産量89万鉢

山梨県といえば「ぶどう」や「もも」の生産量が日本一で、果物の王国といったイメージもあるかもしれませんが、胡蝶蘭の生産量も実は全国4位。

胡蝶蘭を専門に栽培しているという洋蘭園も多いです。

山梨県の胡蝶蘭生産農家の一例

奥山洋蘭園 山梨県山梨市上神内川993
松村洋蘭 山梨県北杜市大泉町谷戸 5495
石原洋蘭園 山梨県中央市今福281

胡蝶蘭の生産量ランキング5位「埼玉県」の特徴

生産量81万鉢

都道府県別の生産量ランキング5位には、埼玉県が入りました。
会社が多く法人ギフトの需要も高い東京からも近い埼玉は、関東における胡蝶蘭生産のパイオニア的地域です。

有名な洋蘭園も多く、黒臼洋蘭園、モテギ洋蘭園、愛興洋蘭園、キヌナーセリーといった農園の胡蝶蘭は、東京の花卉市場でもよく見かけます。

埼玉県の胡蝶蘭生産農家の一例

黒臼洋蘭園 埼玉県さいたま市見沼区染谷1-188
森田洋蘭園 埼玉県川越市南田島999
ふじみ野ラン園 埼玉県富士見市勝頼1078

まとめ

「日本における最大の胡蝶蘭の生産地はどこか?」という観点から、都道府県別の胡蝶蘭(洋ラン)の生産量をランキング形式で発表しました。

1位は花全体の生産額でも全国トップの愛知県で、寒さに弱いという胡蝶蘭の特性もあってか、東北より北は胡蝶蘭の生産が控えめという傾向にあります。

短期間でシェアが大きく変わったりはしないと思いますが、新しい色味や品種の胡蝶蘭が開発されるかは注目したいですね!