法人向けフラワーギフトの王様と言えばやはり胡蝶蘭です。
他の花にはない優雅で気品ある造形美をもち、お祝いに贈るにふさわしい高級感があります。
ギフト用の胡蝶蘭といえば基本的には生花・・・ですが、胡蝶蘭には造花もあることをご存知ですか?
作り物ではありますが特別なお世話をする必要がなく、「光触媒」による空気の浄化効果など生花とは別の良さもあります。
そんな造花の胡蝶蘭の良さを、生花の胡蝶蘭と比較しながら解説してみました。
胡蝶蘭の造花のサンプルを見たい方はこちらから
目次
NASAも認める植物の空気清浄効果
植物は二酸化炭素を吸って、酸素を吐き出す光合成という活動をしています。
また種類によっては、人間にとって有害なホルムアルデヒド、ベンゼン、アンモニアといった物質を浄化する力を持つとして、NASAから「エコプラント」に挙げられている植物もあります(詳細)。
下の画像のサンセベリアやスパティフィラムが有名どころですが、実はキシレンやトルエンといった有害物質の浄化効果から、胡蝶蘭属もエコプランツの一員。
ただ実際のところ植物園のように大量に置くならともかく、1鉢~2鉢では人体に良い作用が見られるほどの、大きな空気の浄化効果はないのではと思っています・・・。
どちらかと言えば人工物に囲まれがちな生活のなかで、緑を見ることによってストレスが軽減される心理的な効果のほうが大きいかと。
植物が生活空間にあることがストレスの軽減や仕事の生産性の向上に役立つことは、科学的にも明らかになりつつあります(詳細)。
いずれにしても植物の持つ力には注目したいところです。
造花の胡蝶蘭も光触媒によって空気を浄化する
一方で造花の胡蝶蘭ですが、最近は本物と見間違えるほど精巧に作られるようになってきていますが、あくまで人工物なので光合成や有害物質の吸収を行ったりはしません。
そのため空気を浄化する力などはない・・・と思いきや実は空気中の臭いを除去したり、抗菌作用があったりするんです。
その理由は最近の造花の胡蝶蘭の多くに付与されている「光触媒」にあります。
光触媒とは、太陽光や蛍光灯などの光に反応して、汚れや臭いの元となる有機物の分解を促す作用を持つ物質のこと。
造花の表面に光触媒が施されていることにより、本物の植物のように生活空間の空気をキレイにしてくれます。
光触媒の代表的例は酸化チタンと呼ばれる化学物質ですが、顔料などに使われていることもあり人体に害あるものではありません。
造花の胡蝶蘭のメリットとデメリット
造花の胡蝶蘭は生花の胡蝶蘭とはまた違ったメリットとデメリットがあります。
ギフトで贈ろうと考える際には要チェックです。
造花の胡蝶蘭のメリット
① 枯れたり劣化することがない
② お世話の手間が不要
③ 周囲が汚れたり虫が発生する心配がない
④ 色や形を自由に選べる
① 枯れたり劣化することがない
当たり前ですが造花なので、生の胡蝶蘭のように枯れてしまうことはありません。
見た目が豪華で受け取ると嬉しい胡蝶蘭ですが、花が萎れ始めるにつれて見た目も寂しくなり、玄関や応接室など人目の多い場所には置きづらくなります。
また枯れてしまった際の処分にやや苦労するのも難点。
しかし造花であれば朽ちることがないので、会社のエントランスなど目立つ場所でもずっと飾り続けることができます。
② お世話の手間が不要
生花の胡蝶蘭は定期的に光に当てたり、水を与えないと枯れてしまいます。
毎日手をかける必要はなく意外と丈夫なので育てやすい植物ではありますが、放置というわけにはいきません。
普段忙しい方やお祝い用にオフィスに胡蝶蘭を贈った場合、お世話できないのですぐに枯れてしまう、というケースも考えられます。
造花の胡蝶蘭ならば、そんな心配も不要です。
③ 周囲が汚れたり虫が発生する心配がない
胡蝶蘭は素焼きの鉢のなかに、水苔とともに植えられていることが多いです。
土に植えられている他の植物よりは扱いやすいですが、それでも水苔がこぼれてしまったり、虫が発生してしまったりするリスクもなくはありません。
「花は好きだけど生活空間は清潔に保ちたい・・・」という方向けのギフトに造花は向いています。
④ 色や形を自由に選べる
造花なので色味や形の選択肢が生花よりも広いです。
自然界には見当たらないような、赤や青など鮮やかな色の胡蝶蘭なども販売されています
不自然な感じにはなるのでナチュラルな白やピンクの方が好まれる傾向にはありますが、ユニークな一鉢でお祝いの気持ちを示したい、という場合は造花を探してみると良いかもしれません。
造花の胡蝶蘭のデメリット
① 生き物ならではの精細さにかける
② 育てる楽しみがない
③ 処分が心苦しい
① 生き物ならではの精細さにかける
物にもよりますが、ちゃんとしたメーカーの作成した胡蝶蘭は非常によくできていて、遠目から見ると生花と判別しにくい造花もあります。
とはいえしっかりと見るとやはり人工物で、実際の胡蝶蘭のような生物独特の繊細さに欠けているところも。
また「ギフト用の胡蝶蘭は当然生花!」というイメージを持っている方もいるので、法人向けギフトなど仕事上の付き合いのある方に贈る際は注意しましょう。
② 育てる楽しみがない
造花の胡蝶蘭はお世話が不要で劣化することもありませんが、その分育てる楽しみもありません。
会社のお祝いでもらった胡蝶蘭を花が散ってもオフィスの片隅で大切に育てたりする方もおり、手間がかかるからこそ思い出に残るということも多いです。
③ 処分が心苦しい
枯れたり劣化することがないことを造花のメリットとして取り上げましたが、それは逆に言えば残り続けてしまうということです。
生花の胡蝶蘭であれば花が落ちた段階で処分を検討しますが、造花はそうもいきません。
しかし職場のスペースには限りがあるものです。
「お祝いでもらった品を捨てるのは心苦しいが、置いておく場所もない・・・」と悩まれてしまうケースがまれにあります。
造花の胡蝶蘭がギフトとしてふさわしいシーンや相手
造花の胡蝶蘭はこれまで紹介したような特徴があるので、以下のようなシーンで胡蝶蘭を贈りたい場合に向いています。
飲食店や老人ホーム向けのお祝い
生花の胡蝶蘭と違って苔や水がこぼれることで置き場を汚してしまう危険がないため、飲食店や老人ホームなど、衛生環境に特に気を配らなければならない場所へのギフトに役立ちます。
光触媒効果で、ささやかながらも空気を浄化できる点もポイントです。
植物を育成や虫が苦手な方
人によっては園芸があまり得意ではなく、虫も嫌いなので植物はあまり育てたくない、という方もいらっしゃいます。
そんな方にフラワーギフトを送る場合は、生花より扱いやすい造花のほうが喜ばれることも。
夏場や冬場など枯れやすい時期に贈りたい場合
胡蝶蘭は温かい東南アジアなどが原産の植物で寒さにはとても弱く、また日本のような高温多湿の夏も苦手です。
1~2月や7~8月は業者もかなり気を使いながら胡蝶蘭をお届けする時期。
全国に胡蝶蘭を出荷している業者さんでも、真冬の北海道など寒さが厳しい環境への出荷はお断りというケースも少なくありません。
気温的に胡蝶蘭を贈るのが厳しい時期や場所でも、造花ならば問題なくお届けできます。
造花の胡蝶蘭の管理方法
造花なので基本的には置いておくだけですが、2点だけ注意しましょう。
① 外の光が直接当たる場所に置かない
カーテンのない窓際など強い光が直接あたる場所に長期的に置いてしまうと、日に焼けて本来の鮮やかな色が失われてしまうことがあります。
② ときどき全体のホコリを払う
造花の胡蝶蘭の空気清浄能力は、表面にコーティングされた光触媒によるものです。
そのため全体がホコリなどに覆われると、効果が半減されてしまいます。
数ヶ月に1度くらいでも良いので、お掃除してあげてください。
乾いた布でやさしく表面を拭くだけでOKです。
強くこすると表面の光触媒コーティングまで落ちてしまうの注意。
まとめ
生花とはまた違った良さのある胡蝶蘭について、その最大の特徴である「光触媒」などを中心に説明させていただきました。
造花の胡蝶蘭を注文する際の参考になれば幸いです!
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