胡蝶蘭を育てるうえで悩みのタネになりがちなのが「水やり」です。
もちろん胡蝶蘭の成長に水は欠かせませんが、量やタイミングを誤るとかえって花に悪影響を与えてしまうこともあります。
お花屋さん時代もお客さんから
という相談はよくされていました。
屋内で胡蝶蘭を育てる際の水やりの基本を、季節ごとの水やりの頻度などと合わせて紹介します!
目次
胡蝶蘭の水やりの基本
① 水やりは控えめに
② 乾燥と湿潤を繰り返す
③ 根本のポットをめがけて給水する
④ 鉢底にお皿を置き、たまり水は捨てる
⑤ 霧吹きを使って葉っぱも潤す
① 水やりは控えめに
まずはじめに胡蝶蘭ですが、基本的に水をそこまで大量には必要としません。
人にもよりますが、これくらいだろうと感覚で水やりをすると、胡蝶蘭にとっては過剰というケースが多いです。
「あれ?胡蝶蘭の元気がないな・・・もしかして水少ないかな?」と多めに水をあげられてしまうこともありますが、胡蝶蘭の不調は日光不足、寒さといった要因も絡むので、注意しましょう。
胡蝶蘭の育て方全般に関する説明はこちら
② 乾燥と湿潤を繰り返す
胡蝶蘭にとって適切な水の量は、置かれる環境の明るさ、温度、湿度、風通しなどによって変化します。
そのため一概に「この程度あげれば大丈夫!」とは判断はできませんが、胡蝶蘭の根本を覆っている水苔が完全に乾いたタイミングが水やりの目安です。
胡蝶蘭は乾燥と湿潤が交互に繰り返されることを好みます。
十分に乾いたら苔がしっかり湿るほど水をやり、また乾くまで水やりは控える、というサイクルを回すとうまくいきやすいです。
③ 根本のポットをめがけて給水する
水やりの際は胡蝶蘭の根本にじょうろなどで水を注ぐわけですが、ちゃんと水が届いているかは要チェックです。
胡蝶蘭はその仕立ての本数だけ、素焼きやプラスチックの鉢にポットが寄せ植えされた状態でギフトとして出荷されています。
そのため水苔をある程度かきわけつつ、ポットに直接水やりするようにしましょう。
真ん中くらいで良いかと適当に水を入れると株に当たらず、苔の隙間を抜けるだけになってしまう恐れもあります。
④ 鉢底にお皿を置き、たまり水は捨てる
水やり前には鉢底にお皿がついているか、をよく確認してください(とくにギフトでもらって一回目の水やり)。
胡蝶蘭の業者さんによって違うのですが、水の受け皿が用意されていないこともあります。
また受け皿の水は放置しておくと雑菌の繁殖や根腐れにつながってしまうので、こまめに捨てましょう。
⑤ 霧吹きを使って葉っぱも潤す
根っこへの水やりが意識されやすい一方で、忘れられがちなのが葉っぱの乾燥です。
とくに冬のオフィスなどは乾燥しがちで、多湿な地域が原産の胡蝶蘭にとってはダメージになってしまうこともあります。
秋冬は霧吹きなどで葉っぱを潤して乾いた布などで表面を拭く「葉水」を行うのが育成のポイント(毎日できれば理想的ですが、週一くらいでも可)。
汚れが落ちて胡蝶蘭がよりキレイに見えるほか、ハダニといった虫害の予防にもなります。
季節ごとの水やり
春夏秋冬で必要な水やりの頻度や量を解説していきます。
あくまで目安なので、前述のように水苔の乾き具合を見ながら水量は調節してください。
春
- 7日~10日に1回程度、根本に100cc(コップ1杯)くらい
3月後半から4月くらいにかけて気温が上がってくると、胡蝶蘭の生育も活発になってきます。
冬場に控えていた水を徐々に増していっても良い時期です。
夏
- 7日~10日に1回程度、根本に100cc(コップ1杯)くらい
胡蝶蘭の成長に最適な気温は20℃前後で、梅雨から夏にかけて暖かくなってくると胡蝶蘭もよく育ちます。
もとは熱帯性の植物なので日本の多湿な夏も嫌いではありませんが、風通しがない場所に置いておくと、蒸れて根腐れしてしまう可能性も。
贈答用のラッピングがまだついている場合は外すようにしたいですね。
ある程度風通しの良い場所に置きつつ、水のやりすぎには気を付けましょう。
秋
- 7日~14日に1回程度、根本に100cc(コップ1杯)くらい
秋の育て方は基本的には春と同じです。
10月を過ぎると気温が落ち込む日もあるので、急な寒さに注意。
根っこが濡れている状態で冷気にさらされると、一気に萎れることがあります。
暑さの盛りを過ぎたら少しずつ水量を減らすイメージで水やりを。
冬
- 10日~14日に1回程度、根本に100cc(コップ1杯)くらい
寒く乾燥した冬は胡蝶蘭が最も苦手とする季節です。
可能であれば10℃以上に室温を保っておく必要があり、会社のエントランス付近など夜間に冷え込む場所に胡蝶蘭を置くのは避けたいところ。
寒さで生命活動も休止気味になるので、水の量を減らして根を乾燥気味に保ちましょう。
ただオフィス内だと暖房のせいで温かさが保たれて、春夏と同じくらい水を吸ったりするんですよね・・・この辺の調節が難しい所です。
夜中は冷えやすいので水やりは日中がベスト。
寒い日の夜にキンキンに冷えた水などで水やりをしてしまうと、夜間に根が凍傷になってしまう恐れもあります。
また乾燥予防のために、定期的に葉水したいのもこの時期です。
まとめ
胡蝶蘭の水やりにおけるポイントをまとめました。
貰い物の胡蝶蘭なので大事にしようとするあまり、水をやりすぎてしまって逆に花が傷んでしまうといったケースも見かけます。
適切な水やりで胡蝶蘭を健全に育てて、花を長く楽しんでください!
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