胡蝶蘭はフラワーギフトとしてすっかり定着している品です。
プライベート、ビジネスを問わず幅広くお祝いの品として贈られるので、受け取ったことがある方も多いかと思います。
もとお花屋さんとしても様々な場所にお届けし、喜ばれる姿も多く見てきました。
・・・しかし、稀にですがあまり良くない顔をされることもあります。
どんなギフトにも言えることですが、やはり人によって好き嫌いはあるんですね。
今回は胡蝶蘭がときに嫌われてしまう理由と、その対策について書いてみました。
目次
胡蝶蘭が嫌われてしまうシーンと対策
胡蝶蘭が嫌われてしまう理由は人や状況によって違いますが、大まかに以下のような要因が多いと思います。
受け取る機会が多く実際に困っている方のために、できる範囲でのアドバイスも書いてみました。
置き場所に困る
胡蝶蘭のサイズも多様ですが、B to Bで会社向けに贈られる場合などは「大輪」と呼ばれる花びらの大きな種類であることが多いです。
大輪の胡蝶蘭はスタンダードな3本立ちであっても、横幅50~70cm、高さ70~90cmくらいの大きさとなり、決して小さいものではありません。
2~3鉢くらいなら問題ないかもしれませんが、数が多すぎると会社のエントランスを圧迫してしまうことも・・・。
とはいえ付き合いのある会社からの贈り物なので無下にもできず困っている、という話はときおり聞きます。
・置くスペースが限られていることを伝えておく
企業間で胡蝶蘭を贈り合う場合、お届けする場所や日程を予め先方が伝えてくれることもあります。
その際に「置く場所の余裕がないので小ぶりのものでお願いします」と、お断りしておくのもひとつの手段です。
植物を育てるのが苦手
胡蝶蘭を含むフラワーギフトは、受け取ったあと一定のお世話を必要とします。
定期的に水をやったり、傷んだ花や葉っぱをカットしたりといった作業ですね。
そこまで時間のかかることではありませんが、忙しい仕事の合間にやるとなると話は別。
手間がかかって面倒と思われてしまうこともあります。
また人によっては園芸に苦手意識のある方もおり「すぐに枯らしてしまうから植物を育てるのは気が引ける」という声はちらほら聞きます。
・得意な人に任す
会社として胡蝶蘭を受け取って管理するのであれば、園芸が趣味という方を探してその方に任せたいところ。やはり好きな人のほうが花をしっかりお世話してくれます。
もし身近に得意な方がおらず、自身でやらなければならなくなった方向けに、オフィスでの簡単な管理のコツも紹介しておきます。
廃棄するのが手間
胡蝶蘭は約1ヶ月ほど花が咲き続ける持ちの良い花ですが、いずれは枯れるときが来ます。
その際に悩みのタネになりがちなのが胡蝶蘭の廃棄法。
鉢物かつ花本体はワイヤーによって仕立てられているので「丸ごと燃えるゴミで処分!」とはいかないのが難点です。
・自分で処分する
少々手間ですが、分解すれば通常ゴミとして引き取ってもらえます。
・業者に処分を依頼する
時間がなかったり胡蝶蘭の数が多かったりする場合は、業者に一括で引き取ってもらうのもありです。
植物は虫がわく可能性がある
「胡蝶蘭という花自体は好きだが、虫は嫌い」という方はそこそこ多いです。
虫がわいてしまうリスクがあるので、あまり生花を飾りたくないというケースですね。
胡蝶蘭は地面ではなく他の植物の幹や枝の上に根を張るという特性があり、土ではなく水苔などの素材に植えられることが多い花です。
そのため比較的虫の発生しにくい植物ではありますが、可能性がないわけではありません。
・乾燥気味な環境を維持する
自宅などで長期にわたって胡蝶蘭を育てる場合は様々な虫対策も必要ですが、オフィスなどで花が落ちるまで育てる場合、とくに問題になりやすいのは「コバエ」や「ナメクジ」等。
水のやりすぎなどで常に根本が湿っていたり、根が腐ったりしていなければ防ぎやすい虫が多いです。
胡蝶蘭自体の健康に保つためにも、風通しの良い場所に水やりも控えめで管理しましょう。
これに関しては対策できないのですが、胡蝶蘭という花の形状がそもそも生理的に受け付けない・・・という方も極少数ですがいらっしゃいます。
見かけることが多い花なので感覚が麻痺しがちですが、たしかになかなか独特な見た目と質感をしていますよね。
バラやチューリップなど他の花と並べると、異質な感じが際立ちます。
胡蝶蘭に限らずラン科の植物は特徴的な生態をしている種が多く、植物全体でみてもユニークな分類です。
ちなみに私は胡蝶蘭を日々山ほど運んでいたお花屋さん時代、動く胡蝶蘭に襲われる夢を何度か見ました。
すいません、余談です・・・
生花が苦手な方向けにフラワーギフトを贈るなら造花もおすすめ
贈るシーンを選ばず気軽に手配できる胡蝶蘭は人気のギフトですが、お祝い用の贈り物は何も花だけとは限りません。
花が苦手な方にギフトをお届けする場合、あえて胡蝶蘭を選ぶ必要はないです。
しかし母の日といったイベント用のお祝いなど、なんとかして花を贈りたいという場面もあると思います。
そういった場合は「造花」はいかがでしょうか?
胡蝶蘭のような鉢物はあまり造花のイメージがないかもしれませんが、実はけっこう数多く販売されており、光触媒による空気の清浄化効果など、生の花とは別の魅力があったりもするんです。
胡蝶蘭の造花については以下の記事で詳しく説明しています。
またハーバリウムなんて新しいギフトもあるのでそちらもオススメ。
まとめ
普段は胡蝶蘭のギフトとしての素晴らしさや有用性を書いていますが、今回に限っては胡蝶蘭が嫌われてしまう理由を取り上げてみました。
ビジネスシーンで贈るギフトとしては定番になりすぎて「とにかく胡蝶蘭を遅れば間違いない!」とすら思われることもありますが、場合によってはお届け先が困ってしまう可能性もないわけではありません。
贈る状況や相手のことを考えると、よりギフトとして喜ばれる品となります!
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